「小さくても勝てる」で世界驚かす女子バスケ 肩を並べた憧れの存在

バスケットボール

松本麻美
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 東京オリンピック(五輪)のバスケットボール女子で、日本が初の決勝進出を決めた。体格がものをいう競技で、「小さくても勝てる」を実践する姿が世界を驚かせている。

 平均身長は出場12カ国で2番目に低い176センチ。磨いてきたのは、ゴール下の競り合いとは無縁の3点シュートだ。準々決勝までの成功率は12カ国中トップの39・4%。打った本数も4戦合計137本で、2番目のチームを30本上回る。準決勝も22本中11本を決めた。

 通常のシュートは2得点。遠距離から放つ分、難しさが増す3点シュートに特化したきっかけはリオデジャネイロ五輪だ。準々決勝で、後に優勝する米国に40点差以上の大敗を喫した。大柄な選手をそろえる相手になすすべがなかった。

 当時アシスタントコーチだったトム・ホーバス監督は「うちは小さい。ポジションに関係なく全員のスタンダードを上げないといけない」と全選手に3点シュートを課した。米WNBAでのプレー経験がある身長193センチの渡嘉敷来夢(らむ)が大けがを負い、メンバーから外れたことも3点シュート重視の戦略を加速させた。

 女子の日本代表は世界ランキング10位。リオ五輪でもベスト8に入った。一方、男子は42位。五輪出場は1976年モントリオール五輪以来45年ぶりだ。

 世界トップとの差は女子の方が近いのに、米NBAで活躍する八村塁渡辺雄太の存在などもあって、いつも男子ばかりが注目されてきた。リオ五輪にも出た宮沢夕貴は「日本バスケット界が盛り上がるのは良いことだけど、やっぱりどこか悔しさはあった」。

 だからこそ、今大会での結果にこだわってきた。

 女子代表の選手たちが目標にしたのは、サッカー女子日本代表の「なでしこジャパン」だ。2011年にワールドカップを制し、12年ロンドン五輪では男女を通じて日本サッカーの最高成績となる銀メダルを獲得。国内では女子サッカーブームが起きた。

 宮沢は「女子競技は結果を残してこそなんだと痛感した。あの盛り上がりを、次は女子バスケットで作りたいと思った」。強い思いがあるから、指揮官が「世界一」と言うほどの猛練習も耐え抜いた。

 なでしこジャパンの快挙から9年。あこがれの存在に、肩を並べた。8日、米国との決勝に臨む。松本麻美