なぜ菅首相は発言ミスするのか 「話し方」のプロが分析
菅義偉首相は6日にあった広島市の平和記念式典で、あいさつの一部を読み飛ばした。首相はこれまでも、就任後初めての外遊や、新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言を出す際の政府対策本部など、大事な局面で発言のミスが目立つ。「話し方」のプロはどう見ているのか。多くの経営者らに話し方を指導している岡本純子さんに聞いた。
――今回のような注目が集まる場で、なぜ読み飛ばしてしまうのでしょうか。
事務方が原稿を作り、それを読むということをずっと続けてきたからだと思います。自分の頭で内容を煮詰めて言語化する作業に、菅さんはあまり慣れていないのではないでしょうか。
《首相は式典で「ヒロシマ、ナガサキが繰り返されてはならない。この決意を胸に、日本は非核三原則を堅持しつつ、核兵器のない、核軍縮の進め方をめぐっては、各国の立場に隔たりがあります」と述べた。「『核兵器のない世界』の実現に向けて力を尽くします」などと誓う部分で、用意していた原稿の一部を読み飛ばした。その後の会見で「おわびを申し上げる」と陳謝した》
――自分で煮詰めた言葉ではなかったから、読み飛ばした際に気がつかなかったのではないか、と?
そうですね。ほかの人が書い…
この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り1515文字
1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか?
会員限定の有料記事が読める!
多彩なコメンテーターがニュースを深堀り
いま話題の最新ニュースもメールでお届け
- 【視点】
度重なる菅首相の「言い間違え」「言い忘れ」。首相として初めて訪れた「8月6日の広島」という大切な場で、最も重要な部分を読み飛ばした菅氏個人の資質の問題はもちろん無視できません。一方で、こうした問題がたびたび起きる背景には、日本の政治家が公的
- 【視点】
「~じゃないでしょうか」「批判はあたらない」――。菅さんの語り口には、独特の癖があります。 おそらく、第2次安倍政権の官房長官として連日、記者会見をこなすうちに、無難に秘書官が用意したメモを読みあげるスタイルや、記者の追及をかわすよう