「感謝と後悔の気持ち」 鶏卵汚職、業者側の賄賂の理由
原田悠自
農林水産相在任中の吉川貴盛被告(70)=収賄罪で公判中=に計500万円の賄賂を渡したとして、贈賄罪などに問われた鶏卵大手「アキタフーズ」の前代表・秋田善祺(よしき)被告(87)の公判が6日、東京地裁であった。被告人質問で秋田前代表は、現金提供は「業界に尽力してもらうためだった」と述べた。
秋田前代表は公判で、2012年に政権復帰した自民党の複数の国会議員に業界要望を伝えようと考え、このうち吉川元農水相には業界の諸問題を勉強してもらうため大臣就任前から盆暮れに現金を渡すようになったと説明した。
18年10月から19年9月までの大臣在任中に現金500万円を提供した理由について「盆暮れの延長線上で渡してしまった」と語った一方、「業界を支援してもらった感謝の気持ちがあった。現金を渡したことは後悔している」とも述べた。
吉川元農水相側は3日にあった自身の初公判で、秋田前代表から、起訴分の500万円を含め大臣在任前後に総額1800万円を受け取ったと明かしている。
秋田前代表の公判は25日に検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論が行われ結審する予定。(原田悠自)
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