新開発の酵母で「早い、うまい」ビール完成

伊藤誠
[PR]

 奈良先端科学技術大学院大学奈良県生駒市)のストレス微生物科学研究室の高木博史教授らが発酵力の高いビール酵母を新たに開発し、新酵母を使ったビールを完成させた。奈良市の「ならまち」にあるクラフトビール醸造所「ゴールデンラビットビール」と共同で商品化した。醸造期間が短くなり、生産コスト減も期待できるという。

 同研究室は、酵母細胞に含まれているアミノ酸の一種の「プロリン」に着目した。乾燥や酸化、浸透圧などから細胞を守る働きがある。市販のビール酵母を改良して、プロリン含有量の高い新酵母の開発に成功した。

 ビールの原料となる麦汁で培養し、炭酸ガスの発生量を測定することによって発酵力を確かめた。その結果、普通の酵母よりも急速に発酵が進むことがわかった。通常は1カ月ほどかかるビールの醸造が1週間ほど早まったという。

 高木教授は「メカニズムをさらに詳しく解析し、奈良県オリジナルのクラフトビールの創出に生かしたい」と話す。

 ゴールデンラビットビール代表の市橋健さん(40)は、試験醸造を経て約1年がかりで商品化した。シングルホップ、シングルモルトにこだわったイングリッシュ・ペールエールで、商品名は大和三山からとった「かぐやま」(330ミリリットル、税込み693円)。「暑い夏に、ごくごく飲めるすっきりしたビールを狙った」と市橋さん。

 アルコール分は4・5%。口当たりが軽く、のど越しさわやか。どんな料理にも合いそうな、親しみやすい味わいだ。わずかに甘口という評価もあり、高木教授は「プロリンの甘みではないか」とみる。

 初回は800本を生産。同店などで購入でき、通販もある。詳しくは同店のホームページ(https://www.goldenrabbitbeer.com/別ウインドウで開きます)で。(伊藤誠)