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症状の悪化、どう察知 自宅療養者になった場合の注意点

新型コロナウイルス

後藤一也、編集委員・辻外記子
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 新型コロナウイルスの感染拡大とともに、自宅療養者が増えている。6日時点で東京都に約1万8千人。2週間で3・5倍に急増した。酸素吸入が必要になるといった症状の悪化を早めに察知することが重要だ。どのように気づき、家族は何に注意したらいいのか。

 東京都の自宅療養者フォローアップセンターは、30歳未満で基礎疾患のない陽性者を中心に、約4千人の健康観察をする。1割ほどの人は何らかの数値や症状が悪化し、看護師が電話で詳しく聞き取り、場合によっては救急車を呼んだり入院の手配をしたりしているという。

 自宅療養者への医療支援事業の委託を東京都から受ける、ファストドクター代表の菊池亮医師は、「自宅で酸素投与をする人が都内でではじめた」と話す。5日までの2週間で同社が受けた相談件数は、以前の2週間の2倍以上に増えたという。

病院行っても…診てもらえない可能性

 自宅療養者には、保健所などから血中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」が届く。

 発症から10日間は健康観察が必要で、血中の酸素飽和度や発熱の状況、息苦しさなどを電話やオンラインで保健所などに報告する。具合が悪いから、と自分の判断で病院に行っても診てもらえない可能性が高い。保健所などに電話で相談して、対応を決めたほうがよいという。

 症状の悪化をどう察知するのか。

 客観的な目安が酸素飽和度だ。厚生労働省の「診療の手引き」によれば、93%以下だと酸素吸入が必要な中等症Ⅱに分類される。1日3度ほど同じ条件で測り、変化をみる。

 菊池さんは「94%だから大丈夫ということでなく、90台前半を目安とし、前日から急に下がるといった変化があると要注意」と話す。

 パルスオキシメーターが手元にない場合は、呼吸回数が参考になる。

 呼吸状態が不安定になり体内の酸素が不足し始めると、呼吸が頻回になる。菊池さんは「1分間に20回を超した場合には気をつけてほしい。その時点で酸素飽和度が正常でも、しばらく後に下がってくることがある」と語る。

 厚労省がまとめた自宅療養者の注意事項は、唇が紫色▽脈がとぶ▽胸の痛みがある▽顔色が明らかに悪い▽もうろうとしている――などを緊急性の高い症状にあげる。

 あてはまれば、保健所などに伝えよう。

「我慢せずに電話でSOSを」

 新型コロナは、軽症の人が急変することが知られている。発症から7日前後に悪化することが多い。

 一度熱が下がっても、7日目前後に再び熱が上がったときは肺炎が疑われる。

 日常生活の注意点は何か。

 暑いいまの季節は、熱中症のおそれもある。センターの担当者は「毎日十分な水分をとり、少しでも体調に変化があったら、我慢せずに電話でSOSを送って欲しい」。

 菊池さんは1日に1・5リットル程度の水を飲むことや、室内を歩いたり足踏みをしたりする軽い運動をすすめる。横になってばかりだと血栓ができるリスクがある。血流をよくすることが重要だ。

 菊池さんは「今後1週間が山。このまま都内の自宅療養者が増え続ければ、スタッフが不足する。オンラインでも支援してくれる医師や看護師がいればぜひ、協力してほしい」と話す。

家庭内での感染防ぐポイント

 家庭内での感染を防ぐにはどうしたらいいのか。

 自治体は注意点を手引にまとめている。

 東京都の手引によると、自宅での感染予防として、部屋をわける▽感染者の世話は限られた人にする▽感染者と世話をする人はマスクをつける▽こまめに手洗い▽日中は換気▽手がよく触れる部分の消毒▽汚れた寝具や衣類を洗濯▽ごみは密閉して捨てる――といったポイントをあげる。

 ただし、感染力の高いインドで見つかった変異株(デルタ株)へのおきかわりが進み、状況は深刻化している。

 関西地方のある保健所長は「感染者の家族が陽性になる割合がぐんぐん高くなっている。家族のほとんど、全員が感染してしまうケースもある」と話す。

 少し期間をあけて家族が順番に感染すると、1カ月近く家から出られない状況になり、仕事や学校への影響も大きい。

 若い世代への感染も広がる。

 都内の保健所長は「これまでは子どもへの感染がなかったが、デルタ株が増えてからは大人と同じくらい感染する。保育園や学校からどんどん広がるため、なるべく自宅にいてもらうしかない」と話す。

 都では、自宅療養をする希望者には、およそ7日分の食料品が送られる。都の担当者によると、必要に応じて2回目の配達もするという。ただし、配達した人に感染が広がらないよう非対面で荷物を届ける「置き配」とし、直接は受け取らないようにしてほしいという。(後藤一也、編集委員・辻外記子

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