五輪の舞台、走りきった2人に拍手

小沢邦男 吉川喬
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 7日、東京五輪の陸上女子マラソン天満屋前田穂南選手(25)、同1万メートルに岡山県総社市出身の新谷仁美選手(33)=積水化学=がそれぞれ出場。前田選手は33位、新谷選手は21位だった。世界の舞台で走り切った2人に県内からも惜しみない拍手がおくられた。

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 新谷選手の母校の興譲館高校(井原市)では、陸上競技部の女子部員18人がテレビ観戦した。苦しいレースでも懸命に走り抜く先輩の姿を、目に焼き付けた。

 同校は毎年12月にある全国高校駅伝への出場常連校。新谷選手は2003年から3年続け1区で区間賞に輝き、3年時には初優勝に大きく貢献した。

 部員たちは学校敷地内の寮から、制服姿で視聴覚教室へ。午後7時47分、レースが始まっても私語は一切なし。張り詰めた空気のなか、真剣なまなざしでレースを見つめた。

 主将の土屋舞琴さん(3年)はスタート前の先輩の表情に「大舞台の緊張感が伝わってきた」。応援していても緊張が解けなかったという。「偉大な先輩の出身校で走れるのは私の誇りです」。森陽向さん(同)も「こんな緊張感の中、走り切るのはすごい」。

 2人にとって高校生活最大の目標は全国高校駅伝の制覇だ。「もっともっと練習し、すべての大会で優勝し、大舞台に近づきたい」と口をそろえた。(小沢邦男)

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 陸上女子マラソンに挑んだ前田選手は、序盤こそ先頭集団を引っ張ったものの、33位に終わった。「お疲れ様でした」「やっぱり世界は強い」。岡山市北区にある天満屋の従業員食堂でレースを見守った有志らは、同僚の健闘をたたえた。

 「FIGHT!前田穂南」。食堂には、従業員ら約60人の手形とともにそんなエールが書き込まれた横断幕(横約2メートル、縦約1メートル)が貼られた。従業員12人が集まり、スティックバルーンで応援。オンラインで約25人が加わった。

 20キロ過ぎ、先頭集団から遅れ始めた前田選手に、オンライン参加の従業員たちは「ゴーゴーレッツゴー前田!」などと声を合わせ声援をおくっていた。

 食堂で応援した岡山本店の難波康彦店長(57)は「元気よく走りきった。今後も次の大舞台を目指して励んでほしい」。同じ経理チームの矢部陽子さん(64)も食堂で応援。「前に出て、積極的な気持ちがこちらにも伝わり、感動した。やっぱり世界は強い」「力強く走るすてきな一面を見ることができた。会ったら『お疲れ様でした』とねぎらってあげたい」と話した。(吉川喬)