米国で東京五輪視聴率低迷 要因の一つにインタビュー?

ニューヨーク=中井大助
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 米国で、東京五輪の中継の視聴率が低迷している。独占放映権を持つNBCユニバーサルは「黒字の見込み」としているが、他メディアでも五輪への関心の低下を分析する記事が多い。

 ニューヨーク・タイムズによると、NBCの3日までの夜間の視聴者数は平均1680万人で、2900万人だった2016年のリオ五輪から大きく落ち込んだ。米メディアによると、NBCはリオ五輪では2億5千万ドル(約275億円)の利益を上げたが、今回は予想より視聴者が少ないことを受け、無料の追加広告枠をスポンサー企業に提示するなどしているという。

 東京五輪は元々、時差の関係から視聴率が下がるとみられていた。加えて、新型コロナウイルスの影響で無観客となり、水泳のマイケル・フェルプスや陸上のウサイン・ボルトのような、米国の視聴者にアピールするスター選手も不在だった。さらに、NBCが期待をかけていた体操のシモーン・バイルスが多くの競技に参加しなかったことなども影響したとみられる。

 開幕前、「シモーン・バイルスは素晴らしい。そして五輪の最初の1週間、彼女は毎日(テレビに)出ている」と期待を込めた、NBCユニバーサルのジェフ・シェル最高経営責任者(CEO)は7月29日、投資家向けの決算説明会で「いくらか、運が悪かった」と語った。「予想していた視聴率より低いかもしれない」と認めつつ、今大会も黒字の見通しであるとも強調した。

 米国では、精神面の不調を理由としたバイルスの棄権が大会を通じて最大のニュースとなった。選手や家族を取り巻くドラマを重視してきた、NBCの放送スタイルにも影響する可能性を指摘する声もある。ウォールストリート・ジャーナルは、NBCがバイルスに「史上最高の体操選手であることの重圧」について聞いていたことを振り返り、「良くも悪くも、NBCが行ってきたようなインタビューは侵略的というだけでなく、破壊的とみなされるだろう」と予想した。(ニューヨーク=中井大助