ベラルーシ選手から深夜のSOS 大使が明かした舞台裏

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笠原真
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 東京五輪陸上女子ベラルーシ代表のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手が、政権の弾圧を恐れて日本から隣国のポーランドに逃れた。出国直前に警察に助けを求めてからわずか3日の脱出劇。選手を一時保護したパベウ・ミレフスキ駐日ポーランド大使が8日までに朝日新聞の取材に応じ、その経緯を明かした。

 ツィマノウスカヤ選手は専門外の女子1600メートルリレー予選のメンバーに不本意に入れられたとして、コーチ陣をSNSで批判。帰国を強制され、1日に羽田空港での搭乗手続き後、警察に保護された。一連の問題の背景には、「欧州最後の独裁者」と呼ばれるベラルーシのルカシェンコ大統領によるアスリートへの圧力があるとして、国際的な批判が起きている。

 ミレフスキ大使によると、1日深夜、ツィマノウスカヤ選手からポーランド大使館の領事に電話が入った。「私を助けてくれませんか」と求める声に、すぐに領事は人道ビザの発給と、亡命を受け入れる準備があると伝えた。

 2日朝、ミレフスキ大使は日本の外務省などと連絡を取りつつ、午後にツィマノウスカヤ選手が大使館に来られるよう調整。午後5時に警察の車両で大使館に到着した。

 「彼女は自身が置かれた状況に怖がり、やつれきっていた」。玄関で出迎えた大使はこう振り返る。ツィマノウスカヤ選手は、前夜は一睡もできず、食事もとれなかったのだという。

 「ここでは誰もあなたを傷つけない。いつでも人道ビザを出すから安心してほしい」と伝えると、すぐに笑顔を見せ、感謝の言葉を口にしたという。

 翌朝、コーチ陣を批判した理…

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2021年8月8日20時34分 投稿
    【解説】

    ツィマノウスカヤ選手を保護し、亡命の手配をしたポーランドのミレフスキ駐日大使は「日本の外務省や警察の協力」が重要だったと述べました。日本外務省も「身体の安全と希望する出国先への安全な移動を確保し、基本的人権が侵害されないことを最優先に、関係