履正社で甲子園めざす女子たち 野球は男子だけじゃない
高校野球の聖地・甲子園。男子だけではなく、女子の野球部員たちにとっても、あこがれの場所だ。今夏、その甲子園に挑む扉が女子野球部員たちにも開かれた。
女子の高校野球日本一を決める全国高校女子硬式野球選手権大会の決勝戦が23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれる。今まで甲子園のグラウンドに立ちたくても立てなかった女子野球部員たちにとって、「夢」だった場所が具体的な「目標」と言える場所に変わった夏。それぞれの思いを胸に挑む姿を追った。
「ずっと夢だった」、甲子園の舞台
7月中旬。梅雨明けの青空が広がる履正社高校(大阪府豊中市)女子野球部の練習グラウンド。
「元気出していこう!」 主将の花本(はなもと)穂乃佳(ほのか)さん(3年)の声出しを合図に、一列に並んだ部員たちが一斉に守備練習に駆け出していった。仲間の好プレーに、笑顔がはじける。
「本当に楽しそうに野球をするんですよ」
同部の橘田(きった)恵監督は目を細める。
花本さんが野球を始めたのは小学生の時。父がコーチを務め、兄も入っていたチームに遊びに行くうち、自分も自然とユニホームを着ていた。
「全員で勝った瞬間の喜びとか練習が終わった後の達成感が魅力でした」
そんな花本さんが小さい時から夏休みになるとテレビで見ていたのが、甲子園球場で行われる全国高校野球選手権大会だった。スタンドを埋める大勢の観客、球場を揺らす応援の演奏、全国に放送されるテレビ中継――。花本さんにとって全てが「輝いている場所」だった。
ある夏、テレビ中継を見てい…
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