(魂の中小企業)IT企業、ヒマラヤンコーヒーを売る
(後編)船長といっしょ、ネパールといっしょ コーヒーだ!
東京の千代田区にあるIT会社「要(かなめ)」。創業社長の田中恵次さんは、有名テーマパークの元船長さんたちを雇い、若いエンジニア、もとい、アーティストが活躍する会社にしていきました。
そして……。では後編です。
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生まれも育ちも東京の田中。北海道には縁もゆかりもない。
あるITの勉強会に参加したとき、こんな話が聞こえてきた。
「北見市って分かる?」
「たしか、北海道だよね」
「オホーツク海に面したところにある。そこに北見工大という大学がある。そこの卒業生を採用したんだけど、優秀なんだ」
へえ~、と田中は思っていた。
2015~16年、総務省が、いくつかの地でテレワークの実証をすると。その中に、北見市があった。近くの斜里町といっしょに、オホーツクテレワークをしてみるという。「参加します」と手を挙げた。
17年の4月、春遠からじ、でもまだ寒い北見市にサテライトオフィスを開設。東京でとってきた仕事を北見でもこなすように。北見工大から人材を採用させてもらう。みんな優秀だ。田中は言う。
「誤解を恐れず言えば、何にもない場所。でも、そこで4年間、ITに没頭している。実力がつきますよね」
人材採用に手応えを感じてきた。東京のIT専門学校から声がかかった。
「うちには外国人留学生がたくさんいます。企業説明会をしてもらえませんか」
ハイ、よろこんでー!
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プログラミング? それともネパールを豊かにするビジネス?
留学生は20~30人いた…