(魂の中小企業)IT企業、ヒマラヤンコーヒーを売る

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(後編)船長といっしょ、ネパールといっしょ コーヒーだ!

 東京の千代田区にあるIT会社「要(かなめ)」。創業社長の田中恵次さんは、有名テーマパークの元船長さんたちを雇い、若いエンジニア、もとい、アーティストが活躍する会社にしていきました。

 そして……。では後編です。

    ◇

 生まれも育ちも東京の田中。北海道には縁もゆかりもない。

 あるITの勉強会に参加したとき、こんな話が聞こえてきた。

 「北見市って分かる?」

 「たしか、北海道だよね」

 「オホーツク海に面したところにある。そこに北見工大という大学がある。そこの卒業生を採用したんだけど、優秀なんだ」

 へえ~、と田中は思っていた。

 2015~16年、総務省が、いくつかの地でテレワークの実証をすると。その中に、北見市があった。近くの斜里町といっしょに、オホーツクテレワークをしてみるという。「参加します」と手を挙げた。

 17年の4月、春遠からじ、でもまだ寒い北見市にサテライトオフィスを開設。東京でとってきた仕事を北見でもこなすように。北見工大から人材を採用させてもらう。みんな優秀だ。田中は言う。

 「誤解を恐れず言えば、何にもない場所。でも、そこで4年間、ITに没頭している。実力がつきますよね」

 人材採用に手応えを感じてきた。東京のIT専門学校から声がかかった。

 「うちには外国人留学生がたくさんいます。企業説明会をしてもらえませんか」

 ハイ、よろこんでー!

    ◇

プログラミング? それともネパールを豊かにするビジネス?

 留学生は20~30人いた…

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