投資信託販売過去最高、積み立て人気 購入の注意点は?

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稲垣千駿
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 投資信託の販売が伸びている。残高を示す純資産総額は6月末で約157兆円と、8カ月続けて過去最高を更新した。老後資金などの資産形成に関心が高まるなか、昨年秋以降の株高を追い風に、投信を始める人も多い。ただ、商品数が多いうえ、手数料の水準は同種の投信でもまちまち。元本割れリスクなどの落とし穴にも注意が必要だ。

 投資信託協会によると、約157兆円のうち、個人投資家向けなどに売られる公募株式投信は6月末で約81兆円。株高による運用増や新たな購入による資金流入増などで、昨年末から半年間で10兆円余り増えた。

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積み立て投信の販売がネット証券で急伸した

 要因の一つが投信を使った積み立て投資の広がり。金融庁が投信保有顧客数(2020年度)を業態別に集計したところ、積み立て投資の利用者が多いネット系証券は278万人と前年度比6割も増えた。前年度から微減で300万人の大手証券に迫る勢いだ。

 60代以上の顧客が多い銀行や大手証券と対照的に、ネット系証券は30~50代が7割で20代以下も2割。コロナ禍による将来不安に加え、在宅勤務の広がりなどで投資に関心を持つ若い世代が増えたとみられる。投資でポイントがたまる楽天証券など、販売側のサービスも多様化している。

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銀行や大手証券の投信保有客は60代以上が過半数

つみたてNISA

投資した投資信託などの配当や売却益が非課税となる制度。毎年40万円を上限に最長20年間、最大で計800万円分使える。例えば、販売手数料がゼロの株式投信など、対象は長期の積み立て・分散投資に適した一定商品に限られる。20歳以上を対象に国が2018年に始めた。

 政府や業界は「貯蓄から投資へ」と呼びかけ、有利な非課税制度「つみたてNISA」などで裾野の拡大に取り組んできた。日本証券業協会の森田敏夫会長は「貯蓄から資産形成の本格的な流れは起きていない。中長期的に安心して商品を持てる環境作りや、投資家の金融リテラシー(知識)の向上が課題」と話す。

 株式投信の数は6月末現在で5500を超え、選びきれないほど多い。投資に慣れない人は金融機関の勧める通りに買いがちだが、手数料や運用効率の違いなどにも注意した方がよい。

 大手証券など5社の販売額上…

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