中学サッカー部員が逮捕をアシスト 「DF経験生きた」

森下友貴
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 7月1日夕方、埼玉県川越市内の駄菓子屋に、市立城南中3年の柳川貴音(きお)さん、林皆人(みなと)さん、田中譲士(じょうじ)さんが集まっていた。3人はサッカー部員。この日は部活動がなく、お菓子を買った後に林さんの家で遊ぶ約束をしていた。

 駄菓子屋から50メートルほど先の路地で、警察官に追われる黒っぽいTシャツ姿の男が目に入った。男は駆け足で、3人のいる方向に逃げてきた。「悪いことをした人かな」。林さんの体がとっさに動いた。冷静に手元に凶器がないことも確認すると安心できた。「捕まえてやる。逃げられたくない」

 車1台がやっと通れるほどの道で両手を広げ、行く手を阻んだ。一直線に向かってきた男は、少しひるんだ様子で減速。「僕は何もしていない」と言葉を発したが、逃げられないように男の体を押して道の端に追いやり、逃げ場を塞いだ。

 柳川さんはとっさのことで頭が混乱しながらもスマホで110番通報。すぐに3人の元に警察官が駆けつけた。川越署によると、男は外国人で、民家の敷地内に侵入したとして住居侵入容疑で現行犯逮捕された。

 男はこの日、川越市内のスーパーで万引きした疑いがあるとして警察官に職務質問されている最中に逃走。民家の敷地内に隠れるなどした後、3人と遭遇した路地に逃げ込んだ。

 3人には小川英規署長から感謝状が贈られた。林さんは「半身になって相手を追い込むサッカーでのディフェンスの経験が生きました」。柳川さんは「これからも防犯に協力したい」。田中さんも「感謝状をもらえて、ありがたいです」と話した。(森下友貴)