ベラルーシ国境で移民「押し返し」 リトアニアが強硬策

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モスクワ=喜田尚
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 反政権派弾圧が続くベラルーシを経由し、欧州連合(EU)加盟国の隣国リトアニアに向かう中東、アジアからの移民・難民が止まらない。ベラルーシが欧米による制裁への報復で国境を越えさせていると批判するリトアニアは人々を押し返す強硬策に転じ、両国の対立は激化する一方だ。人道問題も絡み、EUは難しい対応を迫られている。

今年4千人以上がリトアニアへ

 「法的に可能なすべての手段で国境を守る」

 リトアニアのビロタイテ内相は2日、前日だけでベラルーシからの越境者が294人に達したことを受けて、強硬手段も辞さずに人々の越境を阻むことを表明した。

 ベラルーシからリトアニアへの移民・難民が急増し始めたのは6月末。1日100人を超える日が続き、1月からの総数は8月に入って4100人を超えた。昨年1年間で国境審査を受けずリトアニア領に入った越境者はわずか81人だ。

 ベラルーシによる民間航空機の強制着陸事件を受け、EUが経済制裁を発動したのが6月24日。同国のルカシェンコ大統領はその直後に、ベラルーシ側からの不法越境の取り締まりを拒否すると宣言した。越境者の約半数はベラルーシへの直行便があるイラクの出身者で、リトアニアは「ベラルーシが空路で到着した人々を入国させ、リトアニアへの越境を促している」と訴える。上空から撮影した、ベラルーシの国境警備隊のものとされる車が国境に向かう人々に同行する映像も公開した。

 3日以降、越境者は1日数人にまで激減。しかし今度はベラルーシが「リトアニアの国境警備隊が暴力で人々を押し返している」と反発。ルカシェンコ氏は治安機関幹部を集め、「国境を1メートル単位で封鎖せよ」とげきを飛ばした。両国の国境警備隊間で不測の衝突を恐れる声もある。

 事態は周辺に飛び火する気配…

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2021年8月11日10時41分 投稿

    【視点】ソ連時代、リトアニアとベラルーシの移動は自由でした。ソ連は、主権国家による連邦という建前を取っていましたが、実質は単一国家だったので、ソ連を構成する共和国間の移動は、国防上制限された区域を除いては自由でした。ソ連時代にベラルーシ人、リトアニ