キャリア官僚が地域おこし協力隊に 元部下たちは驚き

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辻岡大助
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 キャリア官僚を辞めて地域おこし協力隊に転身した男性が、山形県村山市役所にいる。一番の理由は、霞が関には「現場」がなかったこと。政策を生かす地域の姿をじかに見ながら、そこに暮らす人々と日常的に接する。そんな新たな仕事に、男性は出あえたようだ。

 岩手県奥州市出身の佐藤洋介さん(35)。東北大学大学院で土壌学を研究し、在学中に国家公務員の総合職試験に合格。2010年、農林水産省に入った。6年後に地方創生人材派遣制度で村山市に出向し、市政策推進課長を3年間務めた。当時をこう振り返る。

 「現場でものを動かしていくのが楽しかった。何よりも地域を愛する人々が村山市の一番の魅力だった」

 志布隆夫市長も「市議会での答弁が国会答弁のようで、慣れていると思った。論理的に説明され、新しい風が吹いた」と感じたという。

 佐藤さんは農水省農地政策課に帰任した後、農地を貸したい人と借りたい人をマッチングする「農地バンク」の推進に携わった。見聞きするのは二次的な情報ばかりで、国会議員らからの依頼で政策を立案する日々を送った。

 「霞が関には農業の現場がない」

 そう痛感し、今年6月に農水省を退職した。互いに自由な考え方をするという大江町出身の妻(36)は反対せず、東京都杉並区から村山市に引っ越した。

 7月、志布市長から地域おこし協力隊員の委嘱状を手渡され、「楽しく地域貢献ができる仕事をしたい」と抱負を語った。市役所2階の政策推進課に自身の事務机が用意された。元部下らは「課長が隊員として戻ってきた」と驚いた。

課長時代に携わった案件、今度は隊員として

 市では、09年度に東北地方

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