つらすぎる韓国の受験競争 ついて行けない子供が増えて

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和順郡〈韓国南西部〉=神谷毅
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 受験競争が過熱する韓国で、塾をかけもちする子供たちのストレスが深刻化している。コロナ禍の息苦しさも追い打ちをかける。そんな悩める子供たちの元気を取り戻そうと、小さな試みが山村で始まっている。(和順郡〈韓国南西部〉=神谷毅)

塾に疲れ、ソウル脱出

 廃校になった中学校の運動場に、樹齢400年余りのクスノキの大樹がたたずむ。韓国南西部・全羅南道の和順郡は光州から車で1時間弱ほどの山の中。旧校舎を利用したコミュニティーセンターの調理室で和順小学校・二西分校の15人の児童が授業の一環として、近くのパン屋の店主から地元の野菜を使ったサンドイッチづくりを教えてもらっていた。

 二西地区では新型コロナ感染者は1人も出ていないが、マスクをして感染防止を徹底。子供たちはゆで卵をつぶしてボールに入れるなど和気あいあいとした雰囲気だ。ソウルから来た児童が4人いると聞いていたが、見分けがつかない。

 仲良く話す女子児童2人がいた。ソウルから転校してきた李知源(イジウォン)さん(10)は「2月にここにきて、すぐに仲良くなった」。地元生まれの隣の児童は「知源がソウルに帰ってしまったら、会いたくてたまらなくなるはず」と話す。

 自然体験や地域発展を目的に、全羅南道とソウル市の教育庁が山村留学の制度づくりで協定を結び、競争社会の疲れを癒やしたり新型コロナから一時的に「疎開」したりすることに使われている。田舎に転校して塾に行けないと学習や入試に不利になりそうなものだが、「山村留学を逆に大学入試の書類のアピール材料に書くこともできる」という指摘もある。

 4人の転校生も協定を利用。自治体から支援金を受け取り、住居も用意された。李さんは母の林潤貞(イムユンジョン)さん(43)と一緒に来た。ソウルで職場に通う父は週末に会いに来る。

 林さんは、ほぼ全員が塾に通うソウルでは、自分も不安で娘を通わせるしかなく、英語塾や授業の補習の学習塾、ピアノなど娘に負担になると思ったがやめられなかった。新型コロナの流行で自宅でのオンライン授業が続き、娘はストレスからかファストフードの食べ過ぎで太ってしまった。

 「ところが、ここに来てから…

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