第2回残念な五輪、日本の問題点の総決算だった 辻愛沙子さん

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小瀬康太郎
写真・図版
語る東京五輪②
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 8日に幕を閉じた東京五輪。コロナ下での開催に世論は分かれ、開催直前まで様々なトラブルが起きた一方、競技が始まると多くの感動や選手たちのドラマも生まれた。

 クリエーティブディレクターの辻愛沙子さん(25)は「これまでに起きた問題を風化させてはいけない」と指摘する。若い世代を代表する一人として、今回の大会を振り返ってもらった。

 ――東京五輪が終わりました

 女性の競技者数が増えたり、スケートボードサーフィンなどのマイナースポーツが盛り上がったり、個人的にポジティブな側面もゼロではなかったと思います。コロナ禍で多くの国民が我慢を強いられ続けている中、どこか五輪に希望を求めていたような空気も一部では感じていました。

 ただ、開会前から数えきれないほどの問題が次々と噴出し、ただでさえコロナ禍で日々の生活が大変な中、多くの人にとって度重なる不祥事や問題の全てを追い切る余裕がなかったのではと思っています。点で声は上がっていたものの、線でそれらを捉えることが難しいほどに問題が相次いでいました。

 開会式前日、ツイッター上で五輪招致から開催までに起きた出来事を整理し直すウェブ番組を企画しました。振り返ってみると、国立競技場やエンブレムの問題、膨れあがった予算、招致活動の際の買収疑惑、ずさんなコロナの水際対策、開会式の演出メンバーのトラブルなど様々なことがあった。多くの問題がうやむやにされたまま、勢いで開催されてしまった気がします。

 それぞれの問題の背景には、性別や年齢に偏りのある同質性の強い運営体制、意思決定のプロセスの不透明さなど、様々な課題があります。五輪を巡る一連の出来事は、今の日本社会が抱える問題点の総決算のように感じました。私たちの倫理観や文化的成熟度を改めて問い直すきっかけになったのではないでしょうか。

コロナ禍で世論が分断された中、東京五輪が幕を閉じました。識者は今、どう考えているのでしょうか。寄稿やインタビューでお伝えする連載です。河村たかし名古屋市長の金メダルかじり問題などを辻さんはどう捉えたのでしょうか。

 ――様々なトラブルを経て開かれた開会式の印象は

 日本のクリエーティビティー…

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