「付き合う?」容姿や私生活に言及も 五輪報道なお性差

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弓長理佳、吉沢英将、赤田康和牛尾梓山崎啓介
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 8日閉幕した東京五輪。これまでの五輪開催時のテレビ報道を継続的に調べている識者は、報道に際した性別の偏りは改善傾向にあるが、課題はなお残ると指摘する。一方、東京五輪の報道について、テレビや新聞など約500媒体が記事を提供する「ヤフーニュース」を対象に、使われる単語を朝日新聞が調べたところ、男女間で差が出た。

 スポーツ報道とジェンダーの問題を研究する小林直美・愛知工科大准教授は、2008~16年に開かれた北京、ロンドン、リオの夏季五輪3大会について、NHK、民放キー局のニュース番組を分析してきた。

 選手の容姿などの「美しさ」に言及した事例を性別で分けると、北京では女性6割、男性4割だった。ロンドンでは女性5割、男性4割、男女混合が1割。しかし、リオでは男性選手をタレント的に扱う報道が増え、女性2割、男性8割と逆転した。

 一方、容姿の「力強さ」への言及は、北京で女性と男性はほぼ半々だった。ロンドンでは女性8割、男性2割、リオでも女性6割、男性4割だった。

 小林氏は「テレビの五輪報道の性別に関わる偏りは是正されつつある」と指摘。東京五輪についても分析中だが、テレビでの女性選手の容姿をめぐる報道は以前より少なかったとみる。

 ただ、国際オリンピック委員会(IOC)がジェンダー平等の観点から報道に際して注意を促す「表象ガイドライン」に照らすと、懸念を抱いた放送は複数あったと小林氏は指摘する。

 ある在京民放キー局は情報番組で、開会式について「各国の美男美女が話題」と題して特集。衣装が注目されたカザフスタンのオリガ・ルイパコワ選手について「お姫様みたいだと反響を呼びました。なんと36歳で2人のお子さんがいるママさん」と紹介した。

 別の情報番組では、バドミントン混合ダブルスで銅メダルを獲得した渡辺勇大選手と東野有紗選手をスタジオに招き、二人の試合後の抱擁に絡めて「(両選手が)付き合っちゃうのかなあ、くらいの感じだった。どんな気持ちでした?」とタレントが尋ねた。

 小林氏は、この2番組はガイドラインの「選手の容姿に映像で焦点を当てない」「選手へのインタビューで性別を意識した質問や発言は避ける」に反する恐れがあるとみる。

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