第一生命、豪生保を730億円で買収発表

小出大貴
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 第一生命ホールディングス(HD)は10日、豪州の金融大手ウェストパックグループから生命保険事業を約9億豪ドル(約728億円)で買収すると発表した。すでに現地に持つ子会社との相乗効果を狙い、頭打ちの国内市場を補う収益基盤づくりを急ぐ。

 2023年1月までに買収手続きを終える見込み。買収した生保事業は、第一生命の豪子会社TALの傘下に入る。TALは死亡やけがに備える保障性保険で豪州市場首位で、今回の買収によってシェアは5ポイント増えて33%になる。

 豪州の大手銀行グループでは非中核事業の売却が進んでおり、「4大銀行」のうちウェストパックだけが生保事業を抱えていた。第一生命はTALの規模拡大を狙い、手元資金での買収を決めた。

 国内の生保事業は少子高齢化による契約者減と低金利による運用難で伸び悩み、海外市場に成長を求める動きが広がる。第一生命は07年にベトナムに進出して以降、タイ、豪州、インド、インドネシア、米国、カンボジア、ミャンマーの8カ国に手を広げてきた。

 21年3月期はグループ利益の2割にあたる約600億円を海外で稼いでおり、今後3年で850億円に増やす目標だ。

 TALは現状の利益で4分の1ほどを占める。今回の買収で24年度に60億円の利益貢献を見込む。豪州市場は人口増加と経済成長で安定した拡大が期待できるという。第一生命は08年に豪生保大手だったTALに出資し、11年に完全子会社化していた。

 同業では日本生命も16年に豪大手銀行から生保事業を約1800億円で買収した。ただ、当局による規制強化やコロナ危機で採算が悪化し、3回にわたって計約840億円の増資を余儀なくされるなど、買収を好業績につなげられるかは見通せない面もある。(小出大貴)