智弁学園、幻の応援曲「七番」が復活 20年ぶりに編曲

米田千佐子
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 第103回全国高校野球選手権大会に出場する智弁学園の観客席では、約20年ぶりにオリジナル応援曲の「七番」が流れる予定だ。令和版の音とダンスで選手を後押しする。

 同校は例年、生徒会が男子の応援団員、女子のチアリーダーを募集し、吹奏楽部と一緒に応援する。今年は応援団に1、2年の約40人、チアには同約30人が集まった。甲子園出場が決定し「新曲で応援したい」という声に、吹奏楽部の顧問が幻の応援曲を復活させようと提案した。

 「七番」は卒業生が作曲したオリジナル曲だ。元はゆっくりした曲で、通常の攻撃の時に使われていたという。同校には「一番」から「七番」まで応援曲があったとされ、「ヒット」と呼ばれるヒットが出たときに流れるファンファーレ「一番」や通常の攻撃で流れる「三番」は今も演奏されている。だが、新曲や主流になった他の曲に押され、「七番」は20年ほど前から演奏されなくなった。

 楽譜も残っていないと思われていたが、2020年初めごろ、吹奏楽部顧問の木山竜志教諭(35)が音楽室の楽譜棚で楽譜のコピーを見つけた。「アレンジしたら使えるんじゃないか」と考えた。

 「七番」が観客席で流れていた当時、チアをしていたのが同校卒業生で智弁学園職員の桜本智子さん(45)だ。小坂将商監督(44)が同校の現役野球部員だった当時、球場で何度も踊った曲という。応援団とチアの計6人の前で踊り、振りを伝えた。

 木山教諭がテンポを速くし、迫力ある曲に編曲した。校舎の玄関のガラスに映る姿を確認しながら6人が踊ること2時間。昔の振りも生かし、テンポを調整し、令和版を完成させた。二回から六回のチャンスの場面で使われる予定だ。

 チアの森下華帆さん(2年)は「恐ろしい感じを出せるように、迫力のある振りにしました。最強の曲になれば」。

 今回は応援中に声を出せず、振りを合わせるのも苦労する。しかし、気持ちを伝える準備はできている。小林武司団長(同)は「腕を回す振りは、止めてから回す。キレを出したい」。

 奈良大会では大会の規定で、球場の観客席では、組織的な応援も吹奏楽の演奏もできなかった。同大会決勝、中1~高2の全生徒が教室で応援するなか、応援団、チア、吹奏楽部の生徒らは校庭で、中継で試合の様子を確認しながら、リモート応援した。

 甲子園では、チア、応援団や50人以内のブラスバンドの応援が可能になった。

 満を持して臨む甲子園。吹奏楽部の山口瑞月部長(2年)は、「ずっと応援していたけど、直接応援できなかった。応援する気持ちがたまっている分、甲子園で野球部に届けたい」と意気込む。(米田千佐子)