高川学園を長年見守る「けんじい」 球児も納得の助言役

寺島笑花
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 高川学園(山口)の野球場のバックスクリーン横が定位置。折りたたみ椅子を広げてグラウンドを見つめる田中勝行(かつゆく)さん(87)は、15年以上前からほとんど毎日、野球部の練習を見守ってきた。「私たちが気づかないような選手の変化にも気づいてくれるんですよ」と守富裕二郎部長(27)。部員にとってもおなじみの存在だ。

 息子の勉さんが、前身の多々良学園出身で、孫の健太さんが高川学園の1期生。「健太さんのおじいちゃん」だから「けんじい」と呼ばれている。けがをして練習を外れている選手をみれば理由を聞いて励まし、時には一緒にジュースを飲みながら冗談を言い合うこともある。

 新チーム当初、山崎帆大(かいと)主将は田中さんから「(チームに)まとまりがないように見える」と言われたという。「代々のチームを一番客観的に見てきた方。その通りだと思った」と山崎主将。言葉を受け止め、「頑張ります」と答えた。

 「山崎のことは、中学の頃からずっと見てきた」と田中さん。当時は体も小さく、おとなしい性格だったという。主将になり、チームの中心に立って声を上げる姿も見ていた。「最後に花が咲きましたね。うれしくてならん」

 甲子園でも、スタンドから応援するつもりだ。「選手は僕の生きがい。グラウンドに来るたびに元気をもらっているんです」(寺島笑花)