あ!私の街にも「カシマ」神社 登録できるHP立ち上げ

村山恵二
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 茨城県日立市出身で都内の会社に勤務する大内咲絵さん(23)は筑波大4年生だった昨年、名前に「カシマ」が付く神社の情報や写真を登録できるホームページ「必勝祈願カシマップ」を立ち上げた。投稿は県内居住者からがほとんどだが、福岡県まで他23都府県からも投稿があった。

 大内さんは大学時代、社会工学類の都市計測実験室(大沢義明教授)に所属し、「必勝祈願カシマップ」を卒業論文として研究した。

 大内さんは、「コロナ禍で長距離の旅行が困難になった今だからこそ、感染リスクが小さいマイクロツーリズム(近場の観光)を進めて、地域の文化・歴史を守りたい」と考えた。神社は分布の偏りがなく、どの地域にも存在することや、神社を拠点としたマイクロツーリズムの効果を分析した研究が無いことが分かり、「カシマップを使って研究する意義がある」と感じた。

 神社の中でもカシマが付く神社に興味を持ったのは、鹿島神宮(鹿嶋市)の知名度が全国的に高いこともあるが、つくば市や県外にも「鹿島」と付く地名があったからだ。筑波大から半径5キロ圏内だけで、カシマの付く神社は15カ所もあった。

 カシマの付く神社は、都会のど真ん中(東京都港区の御穂鹿嶋神社)や、国立公園になっている離島(松山市)にもあった。投稿は8日現在で1千件を超え、登録された神社は904カ所になる。自身もこれまでに約150社を訪れた。

今年度は実験室がHP管理、その後どうなるのかは…

 投稿者に年齢、性別、居住地、神社までの交通手段などを記入してもらったところ、(生まれた時からインターネットやパソコンがある)デジタルネイティブ世代である20代が半数以上を占め、感染リスクの低い自動車で移動した人が多かった。80%の人が居住地から40キロ圏内の神社を投稿していた。

 投稿された神社の80%以上(昨年調査時点)は法人化されていたが、法人化されていない神社周辺の人口密度は前者の半分ほどで、ここ20年ほどの人口密度の減少率が大きいことが分かった。

 大内さんは「神社をマイクロツーリズムの拠点にして街を巡ったり、若い世代が身近にある神社の魅力や情報を発信したりすることが地域を支える力になると思う」と話している。カシマップは卒業研究のプロジェクトのため、今年度いっぱいは所属していた実験室が管理するが、その後どうなるのかは決まっていないという。

 同実験室の大沢教授は「大内さんの卒論は地元に大きく響いた。多くの神社を訪問して聞き取りをし、結果を丹念に視覚化することで、生活目線が色濃く入ったものとなり、社会貢献ができた」と評価している。(村山恵二)