智弁学園、倉敷商に10得点勝利 不動の4番が先制打 

山口裕起
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(11日、高校野球選手権大会 智弁学園10-3倉敷商)

 迷いはなかった。初球。智弁学園の山下陽輔は、肩口から入ってくるスライダーをひっぱたく。きれいな放物線を描いた打球は、左翼フェンスを直撃した。

 四回。4番が一振りで均衡を破った。先頭の前川右京が内野安打で出塁し、無死一塁。小細工はない。ベンチの期待通り、適時二塁打で前川を迎え入れると、送球間に進んだ三塁上でぽんっと両手をたたいた。「体が縮こまっていたので、体を大きく使って振ることを意識した。狙ってました」

 チームは奈良大会で打率4割7厘をマークした。強打者がそろうなかで、その真ん中に座る。「うちの打線の核は山下。打順はあいつを中心に考えている」と小坂将商監督。8強に入った今春の選抜大会以降、試合のたびに打順を組み替えてきたが、「4番・山下」は動かなかった。1点がほしい場面でも、強攻策に出たのは信頼の証しだ。

 「負けたくない」と、高校通算35本塁打の前川と競い合うように成長してきた。そんな主将の一打で目を覚ました打線は、本来の鋭さを取り戻し、計14安打で10得点。スクイズも3度決めた。「なにがなんでも日本一になりたいんです」。快音とともに、思いはチームに届いた。(山口裕起)