女性の困窮に一石 「モロッコ、彼女たちの朝」監督語る

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藤えりか
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シネマニア経済リポート

 世界経済フォーラムによる男女格差ランキングで156カ国中144位。未婚女性が妊娠すると刑事罰の対象となり、経済的にも困窮する――。そんな中東モロッコで、状況を変えようという動きや議論が少しずつ出ているという。そこに投じた一石になったとも言える映画「モロッコ、彼女たちの朝」(英題:ADAM)が日本で8月13日に公開される。脚本も手がけたモロッコ人のマリヤム・トゥザニ監督(41)に、Zoomでインタビューした。

 作品の舞台はモロッコ最大の都市カサブランカ。夫を亡くし、パン屋を営みながら娘を育てるアブラは、寝床を求めてさまよう臨月のサミアと出会う。サミアは男性に去られ、美容師の仕事も失い、夜の路上でうずくまっていた。モロッコには「婚外交渉罪」があり、女性だけが罪に問われ、男性は不問。アブラは見かねてサミアを家に招き入れる。サミアは恩返しにと、手間がかかる人気の伝統のパンを作って売り場に並べ、商売を助ける。次第に出産の時が迫る――。

 婚外妊娠が違法の中東の物語と言うと、遠い世界の話に聞こえるかもしれないが、未婚の母が生計手段を得るのに苦労する構図は、日本も決して他人事ではない。

 滞在先の南仏で取材に応じたトゥザニ監督は、「ロンドンの大学を卒業後、(モロッコ北部)タンジールの実家でしばらく過ごした頃、ドアをノックした見知らぬ妊娠約8カ月の女性との出会いがきっかけだった」と画面越しに語った。

 「仕事を探していると言って…

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