バッシュに刻まれた友情の証 NBAスターと日本人の絆

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 東京オリンピック(五輪)バスケットボール男子で、アメリカ(米国)代表を、主将として4連覇に導いたのが、ケビン・デュラント(ネッツ)だ。登録全12選手が米プロNBAの所属のスター集団を束ねた。ファンの間では練習熱心で誠実な人柄も知られているデュラントの原点に、ある日本人と過ごした1年間がある。

体育館で重ねた2人の時間

 「おい、ケビン、朝練、行くぞ!」

 午前6時、米メリーランド州のモントロス・クリスチャン高校4年生だった伊藤大司(たいし)さん(A東京アシスタントゼネラルマネジャー)は、同級生のデュラントをたたき起こすのが日課だった。

 寝ぼけ眼で、2メートル超えの巨体を車の助手席に押し込み、体育館へ。授業が始まるまでの1時間半、シューティングや1対1で汗を流す。午後のチーム練習後も、夕食と宿題を済ませると、連れだって体育館にこもる日々だった。

 「ケビンは朝に弱いんだけど、いざ練習を始めるとしっかりエンジンがかかって、無駄な時間を過ごさない。そういう意識はすでに一流だった。懐かしいなぁ」

 いとおしげに当時を振り返る伊藤さんは、三重県出身。西村文男(千葉)らとともに中学時代に全国大会で2位に入った。高校はバスケット留学を決意して、モントロス・クリスチャン校に進んだ。

 同校は、数々のNBA選手が輩出している米国トップクラスの強豪だった。松井啓十郎(京都)や富樫勇樹(千葉)もここに留学した。デュラントも、より良い練習環境を求めて4年生の時に転校してきた選手だった。自宅から通うにはかなりの距離があったため、学校まで車で5分ほどの伊藤さんの家に居候することになったのだという。

 身長182センチの伊藤さん…

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