(スポーツ雑記帳)新戦力の泥臭さ 後半戦への光
スポーツライター 柚野真也
無敗で首位を独走するチームと降格圏から抜け出せず低迷するチームの実力差が色濃く出た試合だった。リーグ再開初戦の大分トリニータは攻守ともにいいところなく、川崎になすすべなく敗戦。両チームの戦力差を考えると妥当な結果と言えるが、今季12度目の無得点に終わった攻撃面の不振は深刻だ。
1点を追う後半は、ボールを保持して自分たちの時間を作ったが、決定機と呼べる攻撃は皆無に等しかった。前後半1本ずつのシュートではゴールは遠い。片野坂知宏監督は「得点がなければ勝ち点は取れない。(相手の)要所を抑えた守備でチャンスを作れなかった」と完敗を認めるしかなかった。
センターライン付近では自由にボールを持てるが、前線にボールを運ぼうとすると川崎の人垣に阻まれ、効果的な縦パスはほとんど入れられない。ベースとなるサイド攻撃で揺さぶっても穴を開けることができず、相手の素早い切り替えにより速攻の芽も摘み取られた。大分は総じてペナルティーエリア内に入っていくアイデアが希薄で、極端にいえば守備ブロックの前でパスを回しているだけだった。
シーズン序盤であれば、すり…