コロナ禍で首相の夏休みは? 「疲れている」の指摘も
菅義偉首相が「夏休み」をとるのかどうかが、政権内の話題になっている。昨年9月の就任から11カ月間で、首相が終日、自宅から出なかった「休み」は計3日。周辺は「さすがに疲れている」と休みをとるよう進言。首相も近くとる意向だというが、新型コロナ対応もあって先は見通しづらい状況だ。
首相は11日は午前8時前に首相官邸に入り、敷地内を散歩。その後、国会議員と面会するなどして過ごした。対外的に公表された会議などはなかった。首相周辺は「不急の面会ぐらいしかないなら休んでもらいたいが、活動している姿を見せた方が良いと思っているのだろう」と話す。
歴代の首相は、夏休みを軽井沢などの避暑地で過ごすこともあった。
安倍晋三前首相は約7年8カ月に及んだ第2次政権で、7~8月は2週間程度の夏休みを取ることが慣例だった。コロナ対応や病院での検診などが重なった昨年は長期休暇はなかったが、例年は地元の山口県で墓参りをし、山梨県の別荘で財界人らとゴルフをするなどしていた。小泉純一郎元首相も5年5カ月の在任期間中、最長約2週間の夏休みを取った。最初の夏休みは箱根で過ごし、当時、大学生だった次男の進次郎環境相とキャッチボールする姿を報道陣に公開するなどして話題になった。
一方、麻生太郎財務相は首相在任時、夏休み返上で衆院選を戦ったが大敗し、政権を去った。民主党政権では、菅直人元首相の6日間が最長だった。
菅(すが)首相は、広島市での平和記念式典であいさつの一部を読み飛ばすなどのミスも続いている。閣僚の一人は「相当疲れていると思う。休んでほしい」と話す。
ただ、8月末には東京都など6都府県に出している緊急事態宣言が期限を迎え、今後、対応が迫られる。自民党総裁選や衆院解散・総選挙をにらんだ動きが党内で活発化することも予想される。首相周辺は「菅首相はそもそも仕事好きだから」。別の首相周辺も「安倍首相はゴルフでリフレッシュしていたけど、外出自粛をお願いしている中で、首相が出かけるわけにもいかないし。コロナ対応もあって、長く休むのは難しいだろう」と言う。(小手川太朗、笹山大志)
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