東北学院のエースが完投 昨夏はショックで毎晩焼きそば

室田賢
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(11日、高校野球選手権大会 東北学院5-3愛工大名電)

 もう、何があってもくじけない。「テレビでしか見たことがない、あこがれの場所」に立てたから。

 九回。東北学院のエース、伊東大夢(ひろむ)は最後の打者から三振を奪い、笑顔がはじけた。「自分たちのベストのパフォーマンスができた」。味方の失策が絡んで失点し、本塁打も浴びた。でも、崩れなかった。

 一回の打席では苦悶(くもん)の表情を浮かべた。いきなり右わき腹に死球。ベンチ裏でテーピングをまいてもらい、「痛みはなくなった」と切り替えた。直後、二回は先頭の4番から三振を奪い、リズムに乗った。

 昨夏、新型コロナウイルスの影響で夏の選手権大会が中止になった。カップ焼きそばを「ショックで毎晩のように食べていた」という。一時、体重は10キロも増えてしまった。

 そんなつらいことがあっても、今年は乗り越えられた。「甲子園に行くという目標ができたから」。強豪校がいる宮城大会を創部50年目で初めて制した。

 「くじけそうなときもあった。努力は報われるんだって昨年の自分に言いたい」。ピンチでは一呼吸置き、115球で完投した。夢舞台でつかんだ歴史的な1勝をかみしめた。室田賢