東海大菅生、裏方の部員を胴上げ 仲間からのサプライズ

木村浩之
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 第103回全国高校野球選手権大会に出場する東海大菅生(西東京)。目標の日本一を意識するのはベンチ入りメンバー18人だけではない。宿舎生活や、グラウンドで練習をサポートする補助員やマネジャーらも連日、汗を流している。

 チームへのリモート取材によると、同校には補助員5人が帯同している。補助員は、甲子園でベンチ入りしないが、同行して選手を手助けする「縁の下の力持ち」だ。練習で打撃投手や捕手を務めたり、ノックを手伝ったりする。効率的に動けるように打撃ケージの設置や片付けをするほか、ユニホームの洗濯、スパイクやバットなどの道具磨きもする。第1試合開始時間に合わせ、メンバーは早めに就寝。その後も、洗濯などは夜遅くまで続いた。

 3年生補助員の長田琉希さん、加藤琉真さんのほか、補助員ではなく記録員として帯同する同学年のマネジャー中政惟久哉さんを中心に選手を支える。

 長田さんは捕手で、今夏のメンバーを目指したが、外れた。投手の加藤さんは昨秋にベンチ入りしたが、けがで夏の背番号を逃した。つらくないか尋ねた。同じことを口にした。「メンバー発表の時は落ち込んだが、すぐに自分にはやることがあると気づいた」。メンバーか否かに関係なく、チームの目標は日本一。「僕たちがサポートし、メンバーはその分グラウンドで暴れる。みんなで戦う」。体力的にきついが、「この経験は技術的にも精神的にも将来に生きる」とも。大学でも野球を続け、成長したいという。

 中政さんは普段からマネジャー役をこなし、甲子園でも記録員としてベンチに入る。「自分には実力がない。だから、ベンチ入りできなかったメンバーの悔しさなどが分かる。そういう人の思いを知りながら自分が支えることで、チームが一つになれるはずです」

 西東京大会で優勝を決め、若林弘泰監督の胴上げ後、中政さんも胴上げされた。何も聞いていなかった。「中政いる? どこ?」と栄塁唯主将に手を引っ張られた。メンバーからのサプライズプレゼントだった。「普段は『ありがとう』と言われないが、気持ちが伝わった」。全員が同じ方向を向いていた。そんなチームは、強い。(木村浩之)