「民主主義サミット」12月に開催 直面する課題を議論

ワシントン=大島隆
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 米ホワイトハウスは11日、民主主義諸国の首脳らが参加する「民主主義サミット」をオンライン形式で12月に開くと発表した。

 民主主義サミットはバイデン大統領が就任1年目に開くと公約していた。米国では新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、12月9日から2日間の日程で、オンライン形式で開催することにした。参加国はまだ明らかにしていない。

 ホワイトハウスによると、会議には民主主義諸国の首脳だけでなく、NGOや企業のリーダーも参加する。①権威主義に対する防御②汚職との戦い③人権尊重の促進、の三つのテーマについて議論し、1年後をめどに対面形式での会合の開催をめざすという。

 バイデン氏は中国などを念頭に、21世紀を「民主主義と権威主義体制の競争」と位置づけ、自国民の生活向上やコロナ禍などの世界的な課題に対処するにあたって、民主主義が優れていることを示す必要があると訴えてきた。

 ホワイトハウスは声明で「バイデン政権はワクチン接種やインフラ投資計画で国内の民主主義を再活性化し、対外的には民主主義諸国との同盟関係を再構築してきた」とこれまでの成果を強調した。12月の会議では、各国の取り組みについて意見交換をして国際的な協調を促進するほか、民主主義が直面している課題についても話し合うという。(ワシントン=大島隆

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2021年8月12日8時30分 投稿
    【視点】

     民主主義にはさまざまな形態があります。米国が考えるような民主主義をアラブ諸国に適用することは無理です。民主主義革命の輸出という米国のネオコン(新保守主義者)の戦略が、世界に大混乱を招いたことを忘れてはなりません。世界を米国、西欧諸国、日本

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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2021年8月12日9時47分 投稿
    【解説】

    バイデン政権はこれまでも演説や文書で民主主義を強調してきました。その背景にはトランプ前政権のポピュリズム的手法への批判や議事堂占拠事件を引き起こした国内情勢への警戒も内包されています。とはいえ、民主主義が市民の自由や経済繁栄の基礎にあるとい

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