前大統領を国際刑事裁判所へ スーダン、引き渡しを決定

ヨハネスブルク=遠藤雄司
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 アフリカ北東部スーダンのマリアム・マハディ外相が11日、バシル前大統領らを国際刑事裁判所(ICC)に引き渡すと閣議決定したことを明らかにした。国営メディアが伝えたと、AFP通信が報じた。

 バシル氏に対しては、「世界最悪の人道危機」とも呼ばれた西部ダルフール地方での虐殺に関わった疑いなどで逮捕状が出ており、ICCが身柄の引き渡しを求めていた。同通信によると、引き渡しにはさらに同国暫定政府の統治評議会の承認が必要という。

 ダルフール地方では2003年、アラブ系が中心だった当時のバシル政権に対抗し、黒人系の反政府勢力が蜂起。バシル政権が支援するアラブ系民兵が黒人の村を襲撃するなどした。犠牲者は約30万人と推計され、約250万人が住居を追われたとされている。

 ICCは09年、バシル氏が紛争中に起きた殺人や性暴力など人道に対する罪に関わった疑いなどで逮捕状を発行。10年には集団殺害(ジェノサイド)容疑でも逮捕状を出し、身柄の引き渡しを求めていた。

 バシル氏は1989年のクーデターを率いて政権を掌握し、その後約30年間にわたって権力の座に就いていた。しかし、パンの価格高騰をきっかけに始まった抗議デモの末、2019年4月に軍のクーデターによって解任された。同年12月には国内の裁判所で汚職罪などで有罪となり、刑務所に収監されていた。(ヨハネスブルク=遠藤雄司