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被災者の医療費免除打ち切り、半数以上が通院控える

中山直樹
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 東日本大震災の被災者に適用されてきた医療費免除制度が、住民税課税世帯で3月に打ち切られたことを受け、岩手県保険医協会がアンケートを実施した。回答者の半数以上が、打ち切りによって通院の回数を減らしたり、通院をやめたりしていることがわかった。

 自宅が全壊するなどした被災者は、公的な医療保険の加入者が医療機関を受診した際に払う窓口負担を、震災直後から免除されてきた。当初は国が全額負担し、2012年からは国が8割、県と市町村が1割ずつ負担してきた。

 県は、仮設住宅からすべての入居者が退去して被災者の生活再建が進んだことや、自治体の財政負担が大きいことを理由に、住民税の課税世帯は今年3月で免除制度を打ち切った。所得の低い非課税世帯についても、12月で打ち切る方向で検討している。

 県保険医協会は4~6月、医療機関に通院している被災者2万人にアンケートを送付。1902人から回答を得た。

 そのうち、3月から医療費免除が打ち切られた課税世帯の被災者626人のうち、326人(52・1%)が「通院の回数が減った」「通院ができなくなった」と回答した。

 また、12月まで免除が続く非課税世帯1173人についても、来年1月から窓口負担が発生した場合、735人(62・7%)が「通院を減らしたり、やめたりする」と回答した。

 回答のなかには「免除があってようやく暮らせている。治療が受けられないなら『死のう』と考えたこともある」との切迫した声もあったという。

 県保険医協会の担当者は「免除打ち切りで、被災者は健康状態が悪化したり、経済的に打撃を受けたりしている。すでに家計が苦しい非課税世帯でも打ち切られると、影響は大きくなる」と危機感を示した。(中山直樹)