小田急線の刺傷、計画性は? 「逃走資金」引き出し供述

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増山祐史、岩田恵実、角詠之
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 小田急線の車内で乗客10人が重軽傷を負った刺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された対馬悠介容疑者(36)=川崎市多摩区=が事件直前、ATMで現金を引き出していたことが捜査関係者への取材でわかった。「逃走資金」と説明しているという。13日で事件発生から1週間。言動からは計画性の有無がはっきりせず、警視庁が慎重に調べている。(増山祐史、岩田恵実、角詠之)

 事件は金曜夜、都心に向かう電車で起きた。約400人が乗る10両編成の快速急行は、登戸(のぼりと)(川崎市)から下北沢(東京都世田谷区)に向かっていた。駅間は8分。午後8時半ごろ、成城学園前―祖師ケ谷大蔵間に差し掛かっていた。

 警視庁の説明によると、対馬容疑者は先頭から4両目の7号車に座っていた20代の女子大学生を包丁で刺して重傷を負わせたとされる。対馬容疑者は先頭車両方向に移動しながら他の乗客も襲い、8号車の床にはサラダ油をまいて火をつけようとした。事件の発生を受けて祖師ケ谷大蔵駅近くで緊急停止した後、9号車のドアから車外に出たという。女子大学生のほかに、刺されたり殴られたりした9人が軽傷を負った。

 通報を受けた警視庁は、防犯カメラの映像で容疑者の風貌(ふうぼう)を確認し、緊急配備を敷いた。約1時間半後、祖師ケ谷大蔵駅から北に約4キロ離れた杉並区のコンビニエンスストアに対馬容疑者が現れた。店員に「自分がやった。逃げるのに疲れた」と話し、駆けつけた警察官に取り押さえられた。

 街や電車内の防犯カメラ映像のほか、対馬容疑者の供述から事件前後の様子が明らかになってきた。

 捜査関係者によると、6日昼に東京都新宿区の店を訪れた対馬容疑者は、店内の食料品を万引きしたとして店に110番通報された。カッターナイフを持っていたため、駆けつけた警察官に銃刀法違反容疑で聴取を受け、警察車両で帰宅した。対馬容疑者は調べに「(店側に)仕返しをしようと考えたが店が閉まっていたため、電車に切り替えた」と話したという。

 対馬容疑者は帰宅後ほどなく再び外出。午後8時ごろ、最寄りの小田急線読売ランド前駅に近い店でサラダ油とライターを購入。ATMで現金4万円を引き出して交通系ICカードにチャージした。引き出した現金は「逃げるための金」などと説明しているという。

 事件後は盗んだ自転車でコン…

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