NHKが映画で存在感 公共放送の共同制作、意義と疑問

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小峰健二
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 NHKが映画の分野で存在感を示している。近年、映画の製作会社などと「共同制作」したドラマの映画版が、国際映画祭に次々と公式選出されるなど実績も華々しい。映画畑の関係者からはハード面での援護に歓迎の声も上がる一方で、受信料で運営する公共放送として「説明不足」の懸念もある。

 「NHKのおかげでほとんどお金がかからなかった」。昨年9月、日本映画界の鬼才・黒沢清監督は、ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品した「スパイの妻」について、そう語った。

写真・図版
黒沢清監督

 同映画祭で銀獅子賞(監督賞)を獲得した同作は元々、同年6月にBS8Kで放送されたドラマとして完成。映画化を前提に制作が進められたため、映画祭出品のほか、10月には「劇場版」として映画館で公開もなされた。

 黒沢監督が「NHKのおかげ」と言ったのには理由がある。同作は、1940年代の神戸を舞台にしていて、戦中の街並みを再現する必要があった。費用が膨大になることが予想され、黒沢監督がこれまでに作ってきた作品の規模では「実現が難しい」と考えられたからだった。

制作を可能にしたあの大河ドラマ

 映画の製作会社などから企画が持ち込まれた際、黒沢監督は「物語は面白いけど、無理じゃないか」と直感したという。

 しかしNHKが共同制作に名…

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