選手を救った国際電話 亡命の裏に日欧ベラルーシ人の絆

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中川仁樹
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 東京五輪ベラルーシ代表だったクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(24)が、政権の迫害を恐れて隣国のポーランドに亡命した事件で、羽田空港で警察に助けを求めた選手を救ったのが、欧州からの国際電話だった。強権的なルカシェンコ政権と闘う欧州や日本のベラルーシ人が連携し、わずかな時間で亡命への道筋をつけた。

きっかけは欧州からの電話

 「何かできることをしてほしい」。1日午後7時ごろ、広島に住むベラルーシ人通訳のナージャ・ムツキフさん(40)の携帯電話に、欧州にいるベラルーシ・スポーツ連帯基金(BSSF)のメンバーから電話があった。

 ツィマノウスカヤ選手はすでに羽田空港に向けて出発しており、強制帰国させられる目前だった。

 BSSFは昨年8月の大統領選後、反政権デモに参加して迫害を受けたアスリートを守るために設立された。ロンドン五輪の競泳女子で銀メダルを獲得したアリアクサンドラ・ヘラシメニアさんら多くのメダリストも参加している。ツィマノウスカヤ選手はBSSFに電話で助けを求めていた。

 ベラルーシでは「欧州最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ大統領が27年におよぶ統治を続け、スポーツ行政も支配している。すでにツィマノウスカヤ選手がSNSでコーチを批判したと母国で騒ぎになっており、帰国後、迫害を受ける可能性が高まっていた。

東京五輪のさなか、ポーランドへの亡命を余儀なくされたベラルーシ代表のツィマノウスカヤ選手。無事に保護されるまでには、日本で暮らすベラルーシ人をはじめ、多くの人々の連携がありました

 ムツキフさんはBSSFから…

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