ビール大手、アサヒ・サントリーは増収増益 分かれ目は

若井琢水
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 ビール大手4社の2021年6月中間決算が13日でそろい、アサヒグループホールディングス(HD)とサントリーHDは増収増益だった。新型コロナ禍で飲食店の利用が落ち込み、各社とも国内は厳しい状況だが、2社は経済や個人消費の回復が進む海外事業が好調だった。

 アサヒは売上高が前年同期比18・2%増の1兆335億円、純利益が175%増の793億円。サントリーは売上高が7・8%増の1兆1919億円、純利益が16・6%増の527億円だった。欧米などでの需要回復が引っ張った。

 一方、キリンHDは政情不安のミャンマー事業で214億円の減損損失を計上したこともあり、減収減益に。ビアホールなど外食事業の比率が高いサッポロHDも減収だったが、不動産の売却益で黒字転換した。

 1~6月のビール類(ビール・発泡酒・第3のビール)の国内販売は、全社が前年を下回った。販売数量はキリンが2%減、サントリーが11%減、サッポロが5%減。アサヒは金額ベースで8%減だった。「巣ごもり消費」で缶ビールは好調だったが、飲食店向けの不振が響いた。

 国内の立て直しに向け、各社は最前線の飲食店支援に力を注ぐ。キリンは、小型のビールサーバー「TAPPY」への切り替え提案に力を入れる。通常は10リットル以上の大ダルを使うが、開栓してから使い切るまでに時間がかかって劣化すると、大量廃棄になりかねない。3リットルペットボトルを使うタイプのTAPPYに切り替えることで、コロナ対応での急な休業が長引いた場合の廃棄減など、店の負担軽減につながるという。(若井琢水)