二人三脚 独創性で好調 キッチンカー製作 PLUME
街角で料理や飲み物を移動販売するキッチンカー。コロナ禍で需要が高まった。その製作所を2月に和歌山県橋本市隅田町に設けると、大阪などから予想を上回る10台を受注した。土井清尭(きよたか)さん(29)と新家(しんけ)佑平さん(29)は年内は2人でこの分の納車に全力を挙げるという。
「あなたの想(おも)いをデザインします」とSNSで宣伝。トラック荷台にフレームを組み立て、窓や扉の位置も自在に変える。車体の模様替え程度の「既製品」にはない、ファッション性豊かで独創的な1台に仕立てる。費用は250万~400万円。東京や沖縄からも問い合わせがあるという。
県立橋本高校の同級生で、バスケットボール部でも一緒だった。代表の土井さんは大学で豪州留学を経験し卒業後、地元の夏祭りイベント「紀の川橋本SUMMER BALL(サマーボール)」に関わりたくて橋本商工会議所の職員になった。青年部を担当して触発され、自ら起業を決意。3年後、両親のクレープ店で腕を上げ、クレープの移動販売に挑んだ。
この時、キッチンカー製作会社の紹介を頼んだのが新家さん。県外の車デザイン製作会社で働いていた。すると、デザインと建築技術を併せ持つ新家さんから「作らせて」と思わぬ返答。これがいまの二人三脚の関係に発展する。
昨年7月、市内で営業を始めると当たった。クレープは連日完売し、秋にはサンドイッチ販売の2台目も発進。車の製作・販売への参入も決め、製作拠点を整えた。
個人事業所名「PLUME(プリュム)」は「『羽』を伸ばせる場所に」との願いを込めた。土井さんは営業・宣伝、新家さんはデザイン・設計・製作を担当する。
2人は「キッチンカーの食フェスのようなイベントを催して橋本を大いに盛り上げたい」と張り切っている。(福田純也)
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