連日の長雨、試合待つ選手たち 故郷の被害心配する声も

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 第103回全国高校野球選手権大会は13日、大雨のため2日連続で全4試合が順延となった。順延ははやくも今大会3度目。代表校は地元の大雨被害を心配したり、コロナ禍で外出が制限される中で体調管理に苦慮したりしながら、試合ができる日を待つ。

 熊本工は雨の中で練習することもあり宿舎では冷房をつけずに過ごす選手もいる。内野手の須藤心君(3年)は「気持ちに変化はないが、体調管理が難しい」。自宅がある熊本県八代市は猛烈な雨で、避難が呼びかけられたのをテレビで知った。練習のため連絡はとっていないが、「両親や弟と妹は大丈夫かな」と心配する。

 長崎商は、大阪府富田林市の練習施設で汗を流した。室内練習場での打撃練習が中心だが、エースの城戸悠希(はるき)君(3年)は屋外で30球ほど投げた。ぬかるんだ地面では思うように力が入らず、球が滑って投げにくかったが、「甲子園では雨の中での対戦があるかも知れない。いい経験になった」と言う。気になるのは、長崎でも土砂災害で犠牲者が出た豪雨の被害だ。城戸君は「これ以上、被害が増えなければいいけど」と案じた。

 西日本短大付(福岡)は大阪府内の室内練習場で、13日も2時間ほど打撃練習で汗を流したほか、宿舎の敷地内で素振りをしたり、軽く走ったりしてそれぞれが調整に努めているという。

 池田翔主将(3年)は「練習時間が短いので、限られたスペースでの自主練習で、各自が体の状態に合わせて鈍らないようにトレーニングしています」と話した。13日に予定されていた初戦が順延され、現状では16日の予定だが、西村慎太郎監督(49)は「選手たちの『早く試合をしたい』という気持ちは変わらず、影響はない」。一方で「練習時間が短く、休養の時間が長いせいか選手たちの体が大きくなってきたので、心配」とも語った。

 この日第1試合だった明桜(秋田)は午前6時の球場入り直前に順延が決まった。甲子園の室内練習場で約2時間、キャッチボールなどで軽く調整した。12日の帯広農(北北海道)戦は降雨ノーゲームになり、四回までに55球を投げた先発の風間球打君(3年)は「少し疲れがあった。順延になり、次に備えられるので良かったと思う」と語った。

 一方、吹奏楽部や生徒ら約160人の応援団は11日から12日に秋田から19時間かけてバス11台で駆けつけた。12日は雨の中で初陣の選手らを励ましたが、ノーゲームとなりそのまま秋田へ戻った。次戦に応援団が来ることは難しいという。輿石重弘監督は「すごく選手たちのパワーになった。感謝の言葉も伝えられず申し訳ない。勝って感謝の気持ちを示したい」。

 帯広農(北北海道)も飛行機で応援に駆けつけた生徒や保護者の半数以上が、その雄姿を見届けられないまま帰路につくこととなった。11日に生徒や保護者計約250人が現地入りしたが、12日の試合はノーゲームに。生徒は急きょ滞在を1泊延ばしたが、13日の試合も再び順延。大半の生徒は、試験や講習会が控えており13日午後に空路で北海道に戻った。学校応援の引率担当の教員は「最後まで応援できず残念がる生徒も多かった」と無念がった。

 6日に甲子園入りして1週間が過ぎた東海大菅生(西東京)の若林弘泰監督の懸念は練習場だ。割り当てられた練習場が屋外のため、知人がいる学校などにかけ合い、13日は奈良県内の雨天練習場を借りた。「関西の学校は慣れたところで練習できるだろうから、うらやましい」

 県岐阜商は13日、甲子園の室内練習場で主に腹筋、背筋を各300回など体幹トレーニングをした。宿舎では相手校のビデオなどを見て過ごしているという。エースの野崎慎裕(のりひろ)君(3年)は「(順延続きの)経験はなく、早く試合をしたい気持ちになるが焦らず臨む」と話した。

 8日に大阪の宿舎に入った石見智翠館(島根)は、15日が初戦の予定だった。練習場に行ったり、早朝にホテル周辺のゴミ拾いをしたりする以外、選手はホテルの1人部屋にほぼ「缶詰め」だという。末光章朗監督は「準備の時間が取れたと思って過ごす。試合がしたくてうずうずしている感じが、試合でいい方向に出るといい」と話す。

 大阪桐蔭西谷浩一監督は毎朝天気予報を見ている。13日は自校の雨天練習場で練習に取り組んだという。休養日が少なくなり、投手の投球制限や調整が懸念されるが、「投手陣全員でがんばりたい」と意気込んでいる。

 阿南光(徳島)は屋内施設で練習したり、雨の合間に坂道を走ったりして調整に必死だ。中山寿人監督は「自然にはかなわない。天気の回復を待ち、選手たちに夏空の甲子園でプレーさせてやりたい」と話した。