雨水からソーダとサイダー「百聞は一飲にしかず」味は?
堀川敬部
雨水を原料にしたサイダーとソーダ(炭酸水)を、福井工大環境情報学部の笠井利浩教授(53)らのグループがつくった。飲料水としての雨水の安全性をPRするためで、国内で初めての試みという。
「汚い」という先入観があったり、濁流のイメージで敬遠されたりするが、「雨水は飲むことができます」と笠井教授。フィールドワークを続ける長崎県の五島列島の離島・赤島には水道施設がなく、住民は雨水を飲料水や生活用水として使っているという。
地球温暖化の影響で渇水になったり、南海トラフの地震が起きて水道施設が使えなくなったりした際、雨水を資源として活用できれば、地域の防災力を高めることができる。飲みやすい形で雨水を普及させる方法を考え、サイダーとソーダの製造を企画した。
笠井教授、同じ環境情報学部の近藤晶(しょう)准教授、高浜町で防災対応型雨水タンクを手がける「日盛興産」の日高規晃社長、雨水活用に取り組む東京のNPO法人や会社のメンバーら5人が「あめぐみ(雨水生活普及委員会)」というグループを結成し、取り組んだ。
「百聞は一飲にしかず」 恵みを感じて
そのまま飲めるとは言え、広く普及させるためには、菌などが繁殖しないように安全な水質を確保する必要がある。
5月中旬、まとまった雨で空…