国連事務総長「アフガンは制御不能」 制裁拡大可能性も

ニューヨーク=藤原学思
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 アフガニスタンの反政府勢力タリバーンが同国の都市部を次々と制圧する中、国連のグテーレス事務総長は13日、報道陣に「アフガニスタンは制御不能に陥っている」と述べた。タリバーンに対しては攻撃の中止を求め、交渉による政治的解決を呼びかけた。

 グテーレス氏によると、先月だけで、一般市民への無差別攻撃で1千人以上が死傷。これまでに自宅からの避難を余儀なくされた市民は、少なくとも24万1千人に上る。グテーレス氏は「国際社会からのメッセージ」として、「軍事力で権力を掌握しても、それは敗北を意味する」と訴えた。

 一方、安全保障理事会がタリバーンを非難し、制裁拡大の可能性に触れた議長声明案を用意していることが13日までに判明した。

 朝日新聞が入手した声明案は、エストニアノルウェーが起草。タリバーンによる攻撃を「最も強い言葉で非難する」とし、「この20年間でアフガニスタンの人びとが成し遂げた経済的、社会的、政治的、開発的な成果や、女性や子ども、マイノリティーの人権を尊重してきた重要性を強調する」と記された。

 また、タリバーンが自称する「イスラム首長国」や、軍事力によるいかなる政府の樹立も支持しないことを強調。10年前の安保理制裁決議を見直し、制裁の対象を広げる可能性に言及している。議長声明に法的拘束力はないが、理事国15カ国の同意が必要で、公式文書とみなされる。(ニューヨーク=藤原学思