影響は数千年、人類へ「厳戒警報」 IPCC報告を読む

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香取啓介 聞き手 編集委員・石井徹
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 「これは人類に対する厳戒警報だ」。9日、公表された国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告書を、グテーレス国連事務総長はこう評する。人間の活動のせいで、地球が温暖化しているのは疑いの余地はなく、熱波や豪雨、干ばつなど気候危機は続く。危機を和らげるのは、我々の選択にかかっている。

 スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんにとって、今回の報告書に驚きはなかった。ツイッターでこう発信した。

 「これまでの何千もの研究や報告書からすでにわかっていたこと、つまり我々が緊急事態にあるということを確認したものだ」

 1988年設立のIPCCは、当初から温室効果ガスによる気候危機の到来を警告してきた。90年の第1次評価報告書では、「温室効果ガスがこのまま大気中に排出され続ければ、生態系や人類に重大な影響をおよぼす気候変化が生じるおそれがある」と訴えた。

 それから約30年、国際社会の反応は鈍く、気候危機への対応は時間切れの瀬戸際にある。

IPCCとは

 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)  1988年、世界気象機関などによって設立。温暖化に関する最新の研究成果を各国が共有することが目的で、195カ国・地域が加盟する。自ら研究を行うのではなく、世界中の研究者が協力して、公表された論文などをもとに報告書を作る。90年に公表した第1次報告書は92年に採択された国連気候変動枠組み条約の科学的根拠となった。2007年にはノーベル平和賞を受賞した。

未経験の変化、何世代も

 今回の報告書が確認したのは、人類が経験したことのない環境変化のただ中にあり、それが何世代にもわたって続くということだ。

 大気中の二酸化炭素(CO2…

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