「自然に整備される」甲子園の内野 阪神園芸のいぶし銀

小林太一
[PR]

 第103回全国高校野球選手権大会は、3日連続の順延となった。阪神甲子園球場がある兵庫県西宮市では13~14日にかけて大雨警報が発令され、激しい雨が続いた。15日は上がりそうな予報だが、グラウンドの状態はどうか。整備を担当する阪神園芸に尋ねると「直前の降り方にもよるが、雨がやめば(試合ができる状態になるのに)1時間もかからない」と、頼もしい言葉が返ってきた。

 3日連続の全試合順延は1975年の第57回大会以来46年ぶり。阪神園芸に33年以上勤める甲子園施設部長の金沢健児さん(54)も初めての経験だと言う。

 第1試合がノーゲームになった12日は昼過ぎにいったん雨がやみ、マウンドやバッターボックスの土をならしたが、その後はマウンドや本塁付近をシートで覆うだけで、本格的な整備はしていないという。

 意外にも金沢さんによると、強い雨は悪くないという。グラウンドはマウンドを中心にゆるやかな傾斜があるため、雨が降るとスパイクでできた穴をならすように泥が流れる。さらに、今回のような強い雨がグラウンドにたたきつけられると、圧力で土が適度に固まるのだという。「今朝シートをめくったら、ノーゲームになった時に比べて、状態が良くなっていた」。金沢さんは14日、こう話した。

 こうして「自然に整備される」状態になっているのも、「職人芸」と敬われる技術と日ごろの努力があってこそだ。毎年1月ごろからグラウンドの土を畑のように掘り起こしたり、季節に応じて配合を調整したりして、グラウンドを最適な状態にしている。

 「あとはどのタイミングで雨がやむか。上がれば試合の開始時間から逆算して仕事をするだけです」。金沢さんは淡々と話した。(小林太一)