高川学園支える裏方3人 「記録でなく記憶に残りたい」

寺島笑花
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 【山口・高川学園】宿舎に残り対戦相手の分析を続ける3年生がいる。練習の補助員を務める山田大和(ひろと)君、板倉碧(あおい)君、森朝智也君の3人。山田君は「甲子園のグラウンドに立ちたかった。記録には残らないけど、できることをやって記憶に残る選手になりたい」と話す。

 18人のベンチ入りメンバー以外でチームに同行しているのは、記録員1人とボールボーイ3人、練習の補助員5人。例年なら帯同メンバー全員が参加するはずの甲子園練習は今大会、新型コロナ感染防止のため取りやめに。試合当日に球場でノックの手伝いができるのは補助員のうち2人だけで、3人はスタンドから見守ることになっている。

 山田君は中学では主将でエース。練習試合での登板が徐々に増えてきた高校2年の冬、腰のヘルニアに。練習に復帰した今年の春先、今度は胸骨を疲労骨折した。「人を全力で応援することは、今後の人生に絶対生きる」。今夏の山口大会のメンバー発表後、部長やコーチが伝えてくれた。

 スコアボードに並ぶ後輩らの名前を見て、悔しい気持ちがないわけではない。それでも山口大会決勝戦で、最初に泣いていたのは板倉君だった。「新チーム発足当初は全然勝てなかった。ほんまに甲子園に行くんやなと思うと、こみ上げるものがあった」

 14日も、3人は初戦の小松大谷(石川)の試合のビデオを見ていた。「誰かのために動いたり、声をかけたり。後輩には、どんな試練があっても目の前の仕事を一生懸命やることが大切だと伝えたい」と山田君。森朝君は「頑張ってきた姿を見てきたので、全員が活躍してほしい」。3人とも仲間の大舞台を心待ちにしている。

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 全国高校野球選手権大会は雨のため13日も順延となり、高川学園は阪神甲子園球場内の室内練習場で調整した。(寺島笑花)