浸水1・5メートル、土石流も 佐賀で大雨被害次々判明

大村久、松岡大将、長沢幹城
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 記録的な大雨が降った佐賀県では15日、朝から晴れ間がのぞき、住民らが浸水被害の後片付けに追われた。観光名所などでは、新たな被害が次々と明らかになっている。

 1級河川・六角川が氾濫(はんらん)した武雄市。JR北方駅近くで浸水被害に遭った50代のパート従業員女性はこの日、避難した妹の家から自宅に戻り、被害の大きさに驚いた。

 2年前にも豪雨被害に見舞われた。今回避難する際、2年前の浸水を踏まえ、畳をはがしてテーブルの上に置き、電子レンジなど家電製品も高い場所に置いて家を出た。だが壁に残ったしみをみると、予想を超え、2年前より25センチほど高い約1・5メートルの高さまであった。畳や家電製品は水につかった。

 「年々、水位が上がる。でももっとひどい被害に遭った人もいるから。がんばらないと」と話し、片づけを続けていた。

 新たな被害も明らかになっている。

 県と神埼市によると、14日午後5時半ごろ、神埼市神埼町志波屋三谷で土石流が発生。住民の70代男性が木材に足を挟まれ、軽いけがをした。

 観光名所の武雄温泉の楼門近くにある駐車場の裏山では14日未明、土砂崩れが起きた。武雄温泉の田中英一郎総務課長によると、土砂崩れは幅約30メートル、高さ10メートルにわたり、石垣と土砂が駐車場に滑り落ちるように崩れた。温泉施設の当直が同日午前5時ごろの巡回で見つけた。

 田中さんは「桜の名所で、訪問客を楽しませていた桜の木が崩れてしまった」と残念がった。人や車に被害はなく、温泉の営業には今のところ影響がないという。

 県によると、六角川近くの順天堂病院(大町町福母)は前日より水は引いたが、15日午後3時時点でなお孤立状態が続く。県の要請を受け、午前7時50分に災害派遣医療チームの医師や看護師5人が自衛隊のボートで病院に到着。病院周辺では深いところで150センチほど浸水していたが、その後30センチほどまで下がったという。

 入院患者と、隣接する介護老人保健施設の入所者の計182人は無事で、上水道が使えないが、備蓄した水で対応している。病院関係者は地元消防団の協力でボートを使って行き来しているという。

 JR北方駅のホームには、冠水した線路上で特急みどりが停車したままになっている。JR九州によると、博多発佐世保行きで13日午後1時35分に駅に到着。雨量が規定値を超えたため運行を取りやめた。乗客約50人はJR九州が用意したバスで目的地に向かったという。

 武雄市は、2年前も豪雨に見舞われた。避難所となった北方公民館では14日、避難者約30人が一時2階に避難するほど玄関に水が迫った。

 市職員によると、14日午前2時ごろから敷地内の駐車場が浸水し、同日午前10時ごろには玄関に続く階段の最上段まで水位が上昇。2年前の浸水位置を示すプレートを超えた。(大村久、松岡大将、長沢幹城)