九州北部、浸水・土砂崩れ相次ぐ 16日から再び大雨か

藤原慎一、米田悠一郎、板倉大地
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 停滞する前線による記録的な大雨で、九州北部は各地で浸水土砂崩れの被害が相次いでいる。15日は前線が南下し、福岡、佐賀、長崎の3県に出ていた大雨特別警報が大雨警報に切り替わった。だが16~17日に再び大雨が予想され、気象庁は「これまでの大雨で土砂災害の危険度が非常に高まっている」として厳重な警戒を呼びかけている。

 九州・山口各県のまとめによると、15日午後4時現在、全半壊は12棟、床上浸水は761棟に上る。ただ、1級河川・六角川が氾濫(はんらん)した佐賀県武雄市は浸水が広範囲に及び、集計ができていないという。国土交通省国土地理院の推定では、武雄市の浸水面積は約4平方キロに及ぶ。

 大雨に関連する死者や行方不明者も出ている。

 長崎県雲仙市では13日未明の土砂崩れに巻き込まれ、森文代さん(59)が死亡。夫の保啓(やすひろ)さん(67)と娘の優子さん(32)の行方が分かっていない。また同県西海市では14日夜、用水路周辺で、北村ヤエさん(73)と、民生委員の田崎文子さん(70)が倒れているのが見つかり、死亡が確認された。

 佐賀県小城市でも14日夜、大雨で増水した川の排水作業をしていた作業員の石井和夫さん(75)が機械に体を挟まれ、搬送先の病院で死亡が確認された。熊本県では錦町の古川幸(みゆき)さん(76)の行方が分からなくなっており、県警などは増水した球磨川に転落した可能性があるとみて捜索している。

 気象庁によると、11日の降り始めから15日午後3時までの総雨量は、佐賀県嬉野市で1024ミリに達した。同市の旅館「和多屋別荘」は14日、窓ガラスが割れて近くを流れる塩田川の水が大浴場に流れこむ被害を受けた。

 旅館は18、19日に、将棋の藤井聡太二冠(19)と豊島将之二冠(31)が対局する王位戦七番勝負の第4局が予定されている。ただ、旅館内の会場に被害はなく、担当者も「今のところ予定通り開催されると聞いています」と話した。

 停滞していた前線の南下に伴い、15日の九州北部の雨は小康状態となった。だが今後、前線が再び北上して停滞する見込みで、16日朝から17日にかけて非常に激しい雨が降るおそれがある。

 気象庁によると、16日午後6時までに予想される24時間降水量はいずれも多いところで福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島の各県で180ミリ、大分県で150ミリ、宮崎県で120ミリ。気象台は「少しの雨でも土砂災害が発生するおそれがある」として、安全確保に努めるよう求めている。(藤原慎一、米田悠一郎、板倉大地)