長崎商、69年ぶり甲子園勝利 先取されても揺るがぬ心

藤木健
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(16日、高校野球選手権大会 長崎商8-4熊本工)

 粘りと、ここぞの勝負強さ。そんな長崎商の持ち味を体現してみせた。同点に追いつき、なおも2死二、三塁となった一回。ここで打席に立った鬼塚陸人だ。

 大会最長身の194センチに、体重96キロ。恵まれた体格の右打者の魅力は、もちろん長打力。ただ長崎大会は打率1割2分5厘、単打2本と低迷していた。

 「チームが勝つことが第一。自分は手足が長いから、それを生かして右方向へ」。振り回さず、ミートに徹した。低めの誘い球に手を出さず、5球目。高めに浮いた球を狙い通りにはじき返し、勝ち越し。四回にも右前適時打を放った。

 試合開始直後から先発城戸が長短4連打を浴びるなど、浮足立ちかねなかった試合だ。それでも、誰ひとり揺るがない。長崎大会は5戦中2試合がサヨナラ勝ち。決勝は、九回2死から追いついた末に延長を制した。

 九州勢対決を制し、4強入りした第34回(1952年)大会以来の甲子園での勝利。豪雨被害の出た地元を思い、鬼塚は「心配な気持ちはあった。少しでも勇気づけられたら」。良い知らせを、確かに届けた。藤木健