九州対決、右投げ左打ちが活躍 作った左打者でない技術

堀川貴弘
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 第1試合の熊本工―長崎商の九州対決は、序盤から点の取り合いになった。どこか似た顔つきのチームだな、と思っていたら、1~4番までがともに左打者。しかも右投げ左打ちだった。この上位打線が一回から威力を発揮し、初戦特有の重い空気を振り払った。

 両チームの選手とも「作った左打者」にありがちな一塁方向へ走りつつ当てるような打撃ではなく、しっかり地に足をつけて右翼方向へも引っ張れる。左翼方向へも強い打球を流し打てる万能な打撃を見せた。ほとんどの選手が地方大会で高打率を残しているのもうなずけた。

 日米通算で507本塁打を記録した松井秀喜さんはヤンキース時代に「左投げ左打ちの選手とは感覚が絶対に違う」と言い、同じ右投げ左打ちの同僚の打撃フォームをじっと観察していた。利き腕ではない左腕の押し込みを気にしていたように記憶する。

 今や出場49校すべてにいる右投げ左打ちの選手。松井さんの言葉からすると、この日躍動した選手たちも含め、“力強い”左打ちをものにするために、ひたすらバットを振り込む姿が想像できる。(堀川貴弘)