専大松戸の深沢、内角攻めは成長の証 優勝候補を完封

伊藤雅哉
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(16日、高校野球選手権大会 専大松戸6-0明豊)

 専大松戸の右横手投げ、深沢鳳介(おうすけ)は追い込まれると強気になる。「ピンチの時こそ厳しく投げる」。明らかにギアを上げたのが三回だ。

 自身の失策も絡み無死一、二塁。ピンチを3連続空振り三振でしのいだ。最後、黒木日向の胸元へ投じた140キロ直球が、春からの成長の証しだった。

 選抜大会の初戦で中京大中京(愛知)の畔柳(くろやなぎ)亨丞(きょうすけ)と投げ合い、七回に決勝のランニング2ランを浴びた。「自分の失投で負けた」と言い、以降は内角に投げきることを課題にしてきた。

 投球練習では、打者にホームベース寄りに立ってもらって内角に投げ込んだ。「コースギリギリを狙う」という意識だったが、まだ甘かった。持丸修一監督から「(ボール)もう一個、打者寄りに投げた方がいい」と助言された。それくらい強気でちょうどいいと解釈し、たとえば右打者なら「シュート回転してもいいので顔に向かっていくようなイメージ」をつかんだ。

 明豊を「格上」と認め、「挑戦者のつもりでやろう」と思っていた。そんなメンタルと、強気の投球がかみ合った。ともに失策が絡んだ五回2死満塁、八回無死二塁の場面も、内角直球を使って切り抜けた。最後も直球で、11個目の三振を見逃しで奪った。6安打しか許さない完封勝利。1死球はあったが無四球だった。

 持丸監督も「完璧」「あれだけいい投球をしていると代え時が難しい」と絶賛した。専大松戸にとっては春夏を通じ甲子園初白星。エースが選抜準優勝校を封じ、価値ある1勝を挙げた。伊藤雅哉

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 専大松戸が一回の重盗で機先を制した。1死一、三塁、奥田和尉が二盗を試みた瞬間、三走・石井詠己の心は固まった。捕手の二塁への送球の軌道、内野の守備位置をみてためらいなく本塁へ突入した。「細かいことを積み重ねるのが得点パターン。練習通りにできた」。選抜準優勝の明豊をかき回し、充実の笑みを浮かべた。