大国に振り回されてきた歴史 政権崩壊のアフガニスタン

有料記事アフガニスタン情勢

機動特派員・武石英史郎
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 アフガニスタンで、反政府勢力タリバーンが首都カブールを掌握し、ガニ大統領率いるアフガン政権が崩壊した。そもそもアフガニスタンとはどのような国家なのか。Q&A形式でまとめた。

 Q アフガニスタンはどんな歴史をたどってきたのか。

 A ユーラシア大陸の内陸国で、かつてアジアと欧州を結んだシルクロードが枝分かれする場所にある。古代ギリシャのアレクサンドロス大王の東方遠征をはじめ、インドやペルシャ、中央アジアの様々な王朝の支配を受け、交易も盛んだった。複雑な歴史を反映して、今もたくさんの民族が暮らしている。

 Q どれくらいの民族がいるのか。

 A 現行の憲法には14の民族名が列挙され、公用語は二つ。ほとんどがイスラム教徒だけど、宗派は二つに分かれている。人々の顔つきも様々だ。

 Q 過去にも紛争が多かったのか。

 A 地理的に重要な場所にあるため、いつも大国に振り回されてきた。19世紀には、インドを植民地化した英国と、南下してきた帝政ロシアが影響力を競い合い、「グレートゲーム」と呼ばれる覇権争いの舞台になった。

 1979年には、ソ連が侵攻し、米国が支援するムジャヒディン(イスラム戦士)がゲリラ戦で対抗した。10年後にソ連が撤退すると、米国は興味を失って手を引いた。内戦が始まり、混乱の中で力をもったのがタリバーンだった。

 Q 米国はなぜアフガニスタンに介入したのか。

 A 2001年に米国で同時…

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