死亡のスリランカ女性 与党側、入管の映像開示に応じず

横山翼
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 名古屋出入国在留管理局の施設で3月にスリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題をめぐり、衆院法務委員会の理事懇談会が16日、国会内で開かれた。野党側は死亡前の様子を記録した監視カメラ映像の開示を求めたが、与党側は応じなかった。

 死亡の経緯に関する最終報告が公表されて初めて開かれたこの日の理事懇は、出入国在留管理庁の佐々木聖子長官も出席。非公開で約2時間行われた。

 終了後、記者団の取材に応じた野党筆頭理事の階猛氏(立憲民主党)によると、野党側は「(最終報告は)死因が明らかでないので、入管の責任もはっきりしない。報告書として不十分だ」と入管側に指摘。真相究明と再発防止のために国会への映像開示と閉会中審査の開催を要求した。また、遺族にも映像を全面開示し、開示の際の代理人同席を認めることも求めた。

 野党側は事前に遺族と面会し、国会への映像開示の同意を取り付けて臨んだ。遺族が見た映像と最終報告の記述に矛盾点があることも伝えたが、政府・与党側は慎重な姿勢を示し、この日の議論は平行線に終わった。

 立憲の安住淳国会対策委員長によると、理事懇に先立つ会談で、自民党森山裕国対委員長が「国民的な関心が非常に高い」として映像開示を検討する意向を示したという。この日の理事懇で結論が得られなかったことについて、階氏は「危機感や責任感、反省が欠けているのではないか」と批判した。引き続き与野党の筆頭理事間で協議を続ける考えだ。

 死亡事案をめぐっては、政府は10日に最終報告を公表。12日にはウィシュマさんが死亡するまでの13日分の様子を記録した監視カメラ映像を2時間に編集して、来日中の遺族に開示していた。遺族は映像にショックを受け、1時間10分ほどで閲覧を中断していた。(横山翼)