国からの委託事業、相次ぐ不正請求「努力の分だけ損」

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小出大貴
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 国から仕事を請け負った企業が、人件費を水増し請求する例が後を絶たない。温床となっているのは、委託費の上限だけをあらかじめ決めておき、事業終了後に企業が実際にかかった費用を報告して金額を確定させる契約だ。似た不正が20年以上も繰り返されてきた。

 三菱UFJフィナンシャルグループ傘下の調査会社、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)では、厚生労働省経済産業省などから委託された計5件の調査事業で人件費水増しが発覚。各省庁から1~4カ月の指名停止や取引停止の処分を受けたと今春明らかにした。詳しい不正の中身や原因、再発防止策は公表していない。

 複数の関係者によると、水増しは少なくとも2016年度と17年度、19年度で見つかり、計310万円以上。管理職を含む数人の従業員の関与がわかった。社長ら役員が報酬の一部を自主返納したのに対し、直接関わった従業員は社内調査に協力するかわりに懲戒処分を受けなかった。調査対象はデータが残る15~19年度に限られた。

 不正が起きたのは「上限付き概算契約」と呼ばれるしくみだ。契約時には事業費を概算で決めておき、それを上限として、事業の終了後に企業が申告した経費をもとに最終的な支払金額を決める。人件費は時給制で、従業員が自己申告する作業時間に基づいて計算される。

 MURCでは、概算で決めた限度額に近づくよう、実際より多い作業時間を各省庁に申告していた。担当者が兼務している別の委託業務向けに作業した時間を付け替えるなどの手口だった。

 人件費の水増しは最近始まった問題ではない。

 電機大手NECでは1998…

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